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手作りバンライフaguri108(車中泊・木工DIY、田舎建築・暮らしなど)

車中泊DIYしたキャラバンでの旅や、木工、建築、4人家族でのバンライフ・田舎暮らしなどをまったり紹介

古屋リフォームの進め方(耐震診断、耐震化補助など)

 

田舎での建築方法の

①築70年以上の古屋を、リフォームする方法

②解体して建て替えをする方法

③農地を宅地化し、新築を建てる方法

のうち

「①築70年以上の古屋を、リフォームする方法」

の検討内容のつづき

前回は、建物の状態の目視チェックを行った

 

今回は、実際に古家のリフォームの進め方

目次

進め方

大まかな進め方としては

  • 建物の安全性(耐震化)確保検討
  • 耐震診断(無料:神戸市)
  • 業者への耐震設計、リフォーム範囲の決定
  • リフォーム工事

となる

建物の安全性

リフォームを行うにあたり、一番重要視することは建物の安全性の確保だと思う

いくら見た目のいいリフォームをしても、地震で倒壊する建物では安心して住める住宅ではない

前回の建物状態チェックで、柱などの躯体に劣化が見られたし、まず現代の木造建築の建て方とは全然違うのでしっかり調べないといけない

在来工法と伝統工法について

現代の一般的な住宅の構造は在来工法といって、基礎コンクリート(ベタ基礎)の上に土台固定し、柱など建物を組み立てていく

地震での地盤の動きが直接建物に伝わるので、

建物に筋交いや耐力壁を設け剛にし、「建物そのものを堅くする」ことにより、耐震化を図っている

土台とは

【メリット・デメリット】建物の「布基礎」と「ベタ基礎」の違いとは? | イエスタ

それに比べ、築70年以上の現在の古屋は、伝統構法といって、石の上にそのまま柱を載せている(固定していない)

建物に使う梁や柱は在来工法のものよりも太く、梁が二重となり、屋根組をガッチリ堅め、瓦屋根の重さで抑えている

柱と基礎が固定されていないので、地震時は地盤の動きが直接伝わらず、建物が別の挙動をとる

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礎石造(石の上に柱)と二重梁

この造りは、現在の建築基準法では、耐震評価が難しい
建築基準法が、在来工法をベースに考えられているため)

在来工法と伝統構法については下記HPがわかりやすい、

zairai_dentoh

耐震診断について

昭和56年5月31日以前に工事着工された、建築基準法改定前の旧基準(いわゆる旧耐震)で建てられた住宅は、耐震性が低い建物が多く、耐震診断の結果約8割が「倒壊の可能性がある」と判定されている

神戸市では、そういった昭和56年5月31日以前の建物の耐震診断を無料で行っている

耐震診断員(建築士)、プロを派遣してくれ、住宅の耐震性を診断をしてくれる

これはすごい!

耐震診断結果は、戸建て住宅の場合立ち会いから1ヶ月程度でしてくれるよう

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建築業者も、この耐震診断結果をもとに、リフォームの検討をしてくれる

耐震化の補助について

神戸市においては、住宅の耐震化についての補助もある

工事費においては、戸建て住宅で最大130万円の補助がある

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神戸市住宅耐震化促進事業補助金申請の手引き 抜粋

こういった公的補助を利用していき、その分リフォームのグレードを上げていくことができる


問題発生!!

 

 建物の耐震診断を利用しようと思ったのだが、ひとつ大きな問題があった

それは「建物の登記」である

耐震診断を行う書類として、建物登記(建物の権利関係を表す書類)をとったのだが、建物の所有権が随分前に亡くなった曽祖父のままであった

登記の移転ができていないので、その建物の所有権その相続人(子、兄弟すべて)となる

曽祖父の子供だけでも10人兄弟、そのまた子をたどっていくと確認できない人も含めて30人以上いる

つまり、基本的にはこの建物をリフォームするとなると、相続人すべての同意が必要となる!!

権利者が多く、確認できない人もいるので、移転登記も難しい

まあ、ずっと住んできた家なので、リフォームできるであろうが、その後所有権の問題が残り続け、いずれ取り壊しを考えなければならなくなる

取り壊しが決まっている家に大きく費用を費やすのには気が引け、

リフォームという選択肢はなしとなった

(伝統構法で造られた家を残したかったが、、、)

その他の問題点

 所有権の問題が解決されたとしても、他に問題点がある

それはリフォーム費用とローン」である

今回もしリフォームするとなれば内容としては

  • 柱や梁の交換
  • 屋根の全吹き替え
  • 上記以外の耐震化工事
  • 水回りの交換(風呂・キッチン・トイレ)
  • 内装やり変え

などが考えられる

すべてを行うと、新築が立ちそうな値段になりそうだ

新築を建てる場合ほとんどの人が住宅ローンを組むだろう

新築の場合は、ローンの担保として、建物を設定できるが、リフォームの場合それができないので通常の住宅ローンを借りることができない

リフォームローンもあることはあるが、住宅ローンよりも借り入れ金額が少なく(1000万程度)、条件も厳しくなる

 

となると、借り入れできない部分の現金を用意しなければならない

まとめ

今回登記やローンの問題により、リフォームは見送ることとなった

古屋リフォームは、しっかりやろうとすると、新築と同じぐらいお金がかかるし、また進めるためのハードルも高い

古屋自体に価値があり、この建物をお金をかけてでも残したいと思えるものがリフォームすべき建物なのだと思う